メッセージ
理事長 菊池利幸
第5回
挨拶(福島県漬物協同組合 第49回通常総会を終えて)
福島県漬物協同組合 菊池利幸
本日、第49回通常総会のご案内を申し上げましたところ、組合員企業さま、賛助会員さま、さらに、福島県中小企業団体中央会の菅野部長さま、JA全農福島園芸部、部長福田様にも、ご出席賜りました。時節柄何かとお忙しいところ出席いただきまして、誠にありがとうございました。
JA全農福島さまには、今まで何かとお世話になりました事、この場をお借りしまして、御礼申し上げます。当組合の事業計画に示してありますように、原材料の協同購入と販路拡大のために、更なるご指導賜りますようお願い申し上げます。
さて、私達のふるさと福島では、震災以降、復興に向けていろんな取り組みがなされてまいりました。途中経過のなかではありますが、内堀福島県知事は、「残念ながら、県農産物や工業製品の素晴らしさが、県外、国外に十分伝わってないのが現状です」と話しておられました。その後、続けられたお話しが「しかし、PRする方法を少し変えるだけで、商品の印象は劇的に変わるんですね。一つの例として、小さくアレンジした白河だるまが、年間3万個売れた事例もあります。只見町のある商店が造る味噌は、パッケージを、おしゃれに変えたところ、従来の二倍の単価で売れています」と、今年早々に話されていた事がいまだに、すごく印象に残っています。
従来と同じ素材であっても、アレンジしたり、デザインなどで付加価値を高めることができる、ということであり、そのための知恵と、アイデアが重要だと言うことです。新しい物だけに目を向けるのではなく、いま、あるものを十分に活かせるように、工夫して行くべきであることの大切さを、あらためて、教えて頂きました。このことは、常に、考えている事のようですが、なかなか形にできていないのが現実ではないでしょうか。
先月、4月に福島明成高校の漬物研究班の皆さんが、一つのお手本を示してくださいました。今年度の「漬物グランプ2018」個人の部において「紅色がっこいぶり」が、グランプリに日本一に耀きました。福島明成高校の漬物研究班は、昨年度の漬物グランプリにおいて「紅色べったら」という作品を出品し「審査員特別賞」を受賞されております。その時、2年生だった佐藤君が、日本一を逃したことを悔しがり「来年は、日本一になります。来年も出品します。」と話していたことを思い出しました。この商品の紅色に染めあげるシソ液がすばらしいと、昨年ある企業の研究室長から聞いておりました。その特徴を、財産を、みごとに生かし、いま、業界で話題になっている「いぶりがっこ」と組み合わせ、さらに漬け込み工程を逆にするという、斬新な発想を取り入れて仕上げられた漬物
であります。
このように、私達の身近にある大根という素材を生かし、アレンジし、付加価値を高める、そして、今まで培ってきた技術を生かしながら、いまあるものに工夫をしながら仕上げられた漬物で、まさに、私達が目指すところのお手本ではないでしょうか。
一つの製品が出来上がって終わりではなく、さらに工夫を凝らして製品を磨き続けることの大切さを教えて頂きました。学びたいと思います。
今、業界では、安心、安全な食品を製造するためにハサップの導入に向けた対応を求められております。
全漬連による「漬物製造における衛生管理の手引書」も作成されました。
厚生労働省の確認もすみ、まもなく、私達会員企業に配布されるそうです。
私達、それぞれの企業においては、その手引書を理解し、実行する為の技能もみがかなければなりません、そうでなければ、手引書もただの紙になってしまいます。
その為だけの試験ではありませんが、今年度の漬物製造管理士の技能評価試験が、9月2日(日)郡山女子大学付属高校で実施されることが発表されております。事前講習会も6月30日(土)の13時からの予定で仙台市の会場にて行なわれますので、多くの方の受講を希望致します。
益々、いろんな意味で企業経営環境が複雑になってきております。
本日は総会後の研修会におきまして、企業世話人として、多くの企業の指導をされております 関洋一先生をお迎えして「高収益構造経営への道すじ」と題しての講演をいただきます。この道すじが立たなくては、企業を継続していけないと思います。
すばらしい商品も、ハサップに対する取り組みも、意味のない事となってしまいます。しっかりと拝聴し「このまま継続して行けば良いところは何か、逆に、今まで何が足りなかったのか」を学ばせて頂き、明日からの経営、仕事に生かしていきたいと思います。