メッセージ
第14回
令和6年 行政の取組を有効活用
福島県漬物協同組合 理事長 森藤洋一
新年明けましておめでとうございます。
関係官庁ならびに業界の皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼を申し上げます。
昨年は5月にコロナが5類に移行したことで行動制限が緩和され、人の動きがコロナ前の水準に戻り、一時は低迷していた外食産業や観光産業は再び活発な動きとなってきております。様々なコストの上昇や人手不足といった課題もありますが、当組合加盟企業は量販店はもとより、観光土産品関連の商品を製造している企業も多く、人や物が動いて経済が活性化する流れができればと期待しているところです。
コロナ禍で内食や中食が定着したことで漬物の需要は下げ止まり、ここ数年は微増か横ばいで推移しておりますが、昨年は農林水産省が「野菜を食・べようプロジェクト」の一環で、「漬物で野菜を食べよう」という漬物業界にとって追い風となる取組を行いました。
...
[続きはこちら]
近況
組合は13組合員、賛助会員28社をもって、生産の拡大を図り、製品は県内は勿論、県外へと広域に出荷するなど、東北地方の第一線に立って脚光を浴びるにいたる。本県の原料としては、大根、きゅうり、なす、山菜、茗荷、梅、筍などが挙げられるが、本県固有の調味によって加工され、需要に供している。
概要
当組合は、昭和46年に福島県内の漬物製造を行う事業者で設立されました。
主な共同事業は、組合員の取り扱う漬物の原料及び副資材の共同購買事業と教育情報事業です。
教育情報事業では、漬物製造管理士の養成や組合青年部の育成など、人材育成に力を入れております。
また、研修においては、食品衛生や食品表示、食品添加物に関する講習会を開催し、組合員企業の経営安定・基盤強化を図っております。
組織名 | 福島県漬物協同組合 |
---|---|
代表者 | 理事長 森藤洋一 |
設立 | 昭和39年4月1日 |
所在地 | 〒960-8072 福島県福島市北中央3-7-2 (株)安部総合会計事務所内 |
連絡先 | TEL : 024-533-0202 |
役員
理事長 | 森藤 洋一 | 森藤食品工業(株) |
副理事長 | 大河内 宏明 | 大河内漬物店 |
副理事長 | 小野 賢司 |
西野屋食品(株) |
専務理事 | 篠原 福一 | (有)長久保食品 |
理事 | 満田 盛護 | 会津天宝醸造(株) |
理事 | 芝田 机太郎 | (株)小田原屋 |
理事 | 菅野 行雄 | (株)菅野漬物食品 |
理事 | 菊池 利幸 | 菊甲食品(株) |
監事 | 八島富徳 | (有)八島食品 |
監事 | 鈴木 正英 | あぶくま食品(株) |
沿革
昭和39年4月1日、福島県漬物食品組合(任意)として発足し、その後、昭和45年12月斉藤長司、大槻孝雄、宍戸徳治郎、尾越の4氏が発起人となり34名の組合員をもって福島県漬物協同組合を設立する。設立認可(昭和46年2月3日福島県令第316号)され、漬物食品について品質の向上、経営基盤の安定化に堅実な歩みを続けている。
1970年 | 福島県漬物協同組合を設立 |
---|---|
1964年 | 福島県漬物食品組合(任意)として発足 |
特産品
福島県の乳酸発酵きゅうり
そのような環境の中、福島県の漬物業者では昔からきゅうりの漬物を作っております。
乳酸発酵をさせて漬け込むことにより、生きゅうりの皮の部分のイヤ味が無くなり、アミノ酸が増え旨味が多くなり、きゅうり製品がより一層おいしくなることを代々受け継いできました。
大きな地下タンクに生きゅうりを入れ、きゅうりが乳酸発酵してくるとタンクの下からボコボコと発酵したガスが出てきます。乳酸発酵の酸味のあるおいしそうな匂いが漬け込み工場いっぱいに漂います。
きゅうりは乳酸発酵によりタンパク質からアミノ酸が生成され、炭水化物の部分が酸味と風味を作り上げます。独自の旨味成分が出て、漬け上がったものを食べると、昔の浅漬けが酸味を出して美味しくなった状態と同じような大変良い風味と味わいがあります。
乳酸菌発酵促進には低塩分が最適なため、常にきゅうりの軟化(柔らかくなること)と隣り合わせです。
原料の漬け込みを失敗するときゅうりは軟化し、製品で使いものにならなくなります。
このためか、日本で、きゅうりを乳酸発酵させPH3.4~3.6ぐらいまで落として漬け込むところは、福島県だけになってしまいました。
それだけきゅうりを上手に発酵させるのは難しい技法なのです。
私達、福島県漬物協同組合の組合員は今までに培ってきたこの素晴らしい技術を後世に伝えるためにも引き続き、この製法に自信と誇りをもって美味しい商品を作って参ります。